新規就農の失敗談①~田舎と農家はいい人だという幻想~

 

もう5年前になります。

 

僕が農業の道を志したのは30歳の時。

 

それまではプロの格闘家をやっていたのですが、30歳になってもうだつの上がらない成績だったので引退しました。

 

そして、引退後にやりたいと思ったのが農業です。

 

 

・格闘技の後輩や子供達に良いものを食べてもらって強くなって欲しい。

・ヒトが生きるのに最も大切なものは「食」だと思うので、それを生産できる人間は強い。

そして、

・「農業は儲かる!」といった安っぽい新規就農本の影響でこの業界にはビジネスチャンスがある!

 

と安易に考えて農業の道を志しました。

 

 

なぜ丹波を選んだかというと一応、小さな時から育った街なのと「有機農業」を推進しているからです。

 

しかし、僕の実家は農家ではなく、農家の知り合いもいません。

 

なので「新規就農」をする事になります。本や公的機関で相談して調べたところ、

 

就農するには

1.農業大学校等の教育機関で勉強する。

2.先進農家で研修をうける(給料は無し)。

3.農業法人等で雇用され、技術が身についたら独立する。

 

という道がありました。

①はお金がかかる。②は生活費が賄えない。

で給料ももらえて勉強もできる③を選ぶ事にしました。

 

 

当時はまだ大阪で仕事もしていましたので伊丹市のハローワークで丹波での農業の雇用の求人を検索しました。

 

すると、1件だけヒットしました。すぐに面接を受けに丹波まで行きました。

 

そこには60代の昔から有機農業をしていたというおじいさん。

弟子である40歳くらいの女性

研修生である25歳くらいの女性がいました。

 

面接を受けたら即採用ですぐにでも来て欲しいと言われました。

 

すぐに仕事を辞めて農業にとりかかりたかったのですが、仕事を辞めるのに3カ月かかるとの事でそれまでは週2日の仕事が休みの日だけ出勤する事になりました。

 

 

仕事で帰宅するのは夜中の2時。3時に就寝して4時に起床。5時過ぎの始発に乗って2時間かけて出勤していましたのでなかなか大変でした。

 

さすがにめまいがしたりフラついたりしましたので「お前体力ないな~」と言われて腹が立ちましたが僕に対しては初めは優しかったです。

 

 

しかし、研修生の女の子は非常に厳しい扱いを受けていました。

 

仕事は普通にしんどいというレベルでしたが、精神的な追い込みが厳しかったです。

 

何をしても怒鳴られる。すべて責任をとられる。人格否定する。「こんな風に育てた親が悪い!」と親を中傷する。「お前なんかと友達になるなんてロクな友達じゃない」と友達を中傷する。といった具合です。

 

拘束時間はだいたい朝の6時から夜の10時まででしたのでほぼ一日中説教されてました。

 

僕は格闘技界でも厳しい人間関係を見てきましたので、その時は農業界もこれが普通なのかな?と思ってました。本気で農業したいならこれくらい乗り越えなければならないのかなと。

 

むしろ殴る蹴るがないだけマシかなと。

 

 

そんな中、「出資をして共同経営にしないか?」という話をされました。

 

弟子の女性は「私は200万円出資しています。」

研修生の女の子も「私は50万円出資しています。」

と言います。

 

格闘技中心の生活を送ってて社会常識を知らない僕はその話にコロッと騙されて銀行のカードローンで200万円借りて出資してしましました。30歳という若くもない歳から農業を始めるので「早く一人前にならなきゃ!」という焦りもありました。

 

それと、前述の通り僕は知り合いに農家がいませんでしたので「農家はいい人」という幻想と「田舎なのでもし騙されそうなら近所の人が注意してくれるだろう」という幻想を抱いていましたので「まさか騙し取られる事はないだろう」とのん気に構えてました。

 

※現実は農家も経営者なのでお金に対してシビアですし、田舎も都会と同じで「ややこしいのには関わらない」です。

 

 

 

そんな事もあって、3カ月が経ち、ついに前の仕事を退職して初出勤!

 

初の仕事はなんと!

 

 

お見舞いでした。

 

 

研修生の女の子が精神的なストレスで精神病院に入院してしまったのです。

 

 

出勤時間になっても出てこなく、借りている部屋の呼び鈴をならし叫んでも出てこないので管理人連絡して開けてもらったとの事です。

 

包丁を握りしめて気を失っていた状態で発見されたそうです。

 

そして、丹波の精神病院に入院しててもなかなか状態が良くならなく、親が迎えに来て都会に帰ってしまいました。

 

 

それから僕の本格的な仕事が始まりました。

 

 

 

新規就農の失敗談②~落ちぶれ農家の末路~

につづく

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コメント: 6
  • #1

    串光 (日曜日, 12 2月 2017 22:23)

    凄まじいっすね。

  • #2

    パンチィー (日曜日, 12 2月 2017 22:28)

    常識知らずなものでこの時はこれが普通なのかと思ってました(笑)

  • #3

    串光 (日曜日, 12 2月 2017 22:51)

    大学のときの友達は、19歳なのにバイト先のおっさんが
    「お前にバイト代を払うために金を借りるから保証人になれ」
    と言われて印鑑ついた。
    「お前法学部で何を学んでいるんだ?」
    とバカ扱いしておいた。

  • #4

    パンチィー (日曜日, 12 2月 2017 22:56)

    ありえそうですね(汗)
    農家の人は「自分が一番」「自分がルール」という人種も多いですものね。

  • #5

    ちひろ (月曜日, 13 2月 2017 17:06)

    まさに、私と同じですね。私も35才。以前はムエタイをしていて、引退後、農業を始めました。

    農村に長い通勤時間かけていきましたが、まるで、家畜を扱うような、接し方をされました。

    最後は、私も当時は若かったので、徹底して、反撃してしまいましたが。

  • #6

    パンチィー (月曜日, 13 2月 2017 19:17)

    まさに同じような境遇ですね。
    残念ながらそのような農家も多いのですね。
    もし、近くに農業を志す人がいましたらきちんとした研修先を紹介してあげたいです。